8月に、2本の動画作品を撮ろうという話になり、挑戦してみました。 http://entre-news.jp/2017/10/43707.html これは、クォータースターコンテストという、 「エントレ」(舞台、演劇のニュース記事を配信している会社です!)主催のイベントです。 編集一切 NGで、音を後から被せてもだめ! フェイドイン、フェイドアウトもダメ! シーンとシーンを切って繋ぐのも、当然のことながらダメ! これまで、細かく細かく写真や映像を切りはりして動画を作ってきた私には、 とても難しいルールでした。 案の定、一本につき1日で練習から撮影までを計画していましたが どちらも1日では無理でした。 どちらの作品も、それぞれ二日をかけて、リベンジ撮影に臨みました。 1カットでできうる様々なことを詰め込み、 まず作ったのはコマエンジェルらしいアホを極めたミュージカル(?) 今コマエンジェルを応援してくださる方々には耐性ができていて、 コマエンジェルのウザさや暑苦しさ、キッツさ、 イラっとする感覚などを楽しんでくださるかたが多いので、コマエンジェルを好んでくださる方々には楽しい作品だと思います。 ただ・・・ これってどこまで受け入れてもらえるんだろうか・・・ コマエンジェル、関係者、ファンのみなさまは、言うなれば変態仲間。 価値観まったく一般的じゃないだろ的な趣味なのではないか。 一般の方々が見たら、キッツイオバサンたちの自称「萌えミュージカル」など、 再生して数秒で停止ボタン押されてしまうのではないか‼︎ ということで、もう一本、真面目な作品を作ってみました。それが、今エントリーされている「Present」です。
こちらは、切ないテイストの、コマエンジェルらしからぬ作品なので コマエンジェルを好きでいてくれる方々に対して 「がっかり感」を与えかねないので(どんな価値基準) ミワティの名前でエントリーしました。 これからエントリーするアホミュージカルは「コマエンジェル」として出展します。 じゃあこれからエントリーする方の作品がメインなの? 力が入ってるの?というとそうではなく、 どちらも同じだけの意気込みと労力を使い、 荒削りながらもできる限り丁寧に作ったつもりです。 特にこの「プレゼント」は ナオティと私の十九年ぶりの真面目なお芝居でした。 劇団時代私は、ずっと真面目なお芝居を書いていました。 作り方も、きっと外部のかたがみたら 「オイオイ・・・・」となるくらいに細かくて真面目で 重箱の隅をつつき続けるような、まあ真面目ちゃんな作品を作ってきたわけです。 劇団時代は1シーンに1日丸々かけて作り込んでいくような稽古をしていましたが 今回は撮影含めてたった二日。 自分の芝居も含めて、まだまだ直したいところは多々あったし これが自信作かと言われたら、素直に「そうです」とは言えません。 関わってくださった方には本当に失礼な言い回しになってしまいますが でも、それも全部自分の責任だと思っています。 関わってくれた方々は、それぞれの最大限のものを出してくれたと思っています。 時間の管理と私の要求のバランスが非常に悪かった。 それだけのことをしようとするなら、2日なんかじゃ足りないってことに 最初から気づいていればよかったのです。 それでも「じゃあ、このテイクをエントリーしようか」と思えたのは 致命的ミスを避けてくれたスタッフと 長年、私の相棒となって、 私のビジョンを一番近い形で読み取ってくれるナオティがいたからでしょう。 二十年前、出産を機に劇団運営ができなくなってしまい 事実上、劇団は自然解散となりました。 解散、という言葉は一度も使いませんでしたが 結果的に私は、複数の劇団員の「この劇団で頑張っていくんだ」という意思と未来を 一気に放り投げてしまったようなものです。 その後劇団員たちは結婚したり就職したり それぞれの幸せな人生を歩くことができましたが 口にすらできないほどの「ごめんなさい」という思いは 20年間、消えたことはありませんでした。 いつかナオティにまたお芝居をさせてあげたいと思いながら なかなかストレートのお芝居をさせてあげることができませんでした。 舞台ではないけど、これはナオと私が演るべきだろう。 と、久しぶりに書き下ろした作品がこれでした。 子供を産んだことに後悔はしていない。 私の選択によって、私は幸せを手に入れたし ナオだって子供に恵まれて幸せを手に入れた。 でも、二十年前の若かった私たちは、今もあの時代に佇んでいる。 子供のように 「まだやりたいよ」と切願するような目で私をみている。
私たちは、まだ全然完成していなかったことを当時からわかっていたし 今もその悔しい思いでいっぱいです。 この動画だって完成には程遠い出来だし これから「やったね 完成したね」なんて作品は作れる気はしない。 でも、私はナオと挑戦し続けることを目標にしたかったのです。 最終ゴールは?なんて、若い頃もよく聞かれたし、今も聞かれたりすることはあるけど よくわからなかった。 いい作品にたどり着きたいんです、というと 皆一様に、「胡散臭い」とでもいうような顔をされました。 でもそれしか答えが見つからなかったのです。 今はまだまだ未熟な段階で、まだ何もわかってない状態ではありますが 今言えるのは 「挑戦し続けていくこと」が、私のゴールテープのないゴールであり 私の最大のエゴであるということです。 「プレゼント」は、一人の女性の、人生をかけた慚愧が描かれています。 これはまさに、慚愧のスケールは違うけど 私が二十年抱き続けていたもののような気がします。 この作品の中で慚愧の念に苦しんでいるのは 主人公だけではなく、「かすみ」ももちろん、孝も、3人が三様に苦しみを抱えています。 そしてそれぞれがどれだけ苦しんだか、それぞれが語らぬまでも理解しています。 三十年前のあの時から佇み続けている3人。 自分が投げ出したことでその人生を壊し、苦しめてしまった大好きな二人へ。 かすみが最初で最後に贈ったプレゼントとは。 答えは観てくださる方それぞれでいいと思っています。 どうか皆様の脳内で、この3人の今後を育ててあげてください。 これは、観終わった時から始まる、 観てくださった皆様それぞれの描く、オリジナルの物語です。 ミワティ ※次にエントリー予定の作品も、お楽しみに!!!!!